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オランダの冬の到来 シンタクラース

みなさん、お久しぶりです。ハポンです。
今回はオランダの季節の行事についてです!

まもなく今年もシンタクラースの到来の時期がやってきますね。今年は11月16日です。オランダで12月に最も盛り上がる伝統行事のひとつが「シンタクラース」(Sinterklaas)です。このイベントはオランダ全土で愛されているクリスマスシーズンの始まりを告げるもので、特に子どもたちにとって特別な行事となっています。ここではシンタクラースの起源や風習、具体的なイベントについて紹介します。

シンタクラースの起源

シンタクラースの起源は、4世紀に実在した聖ニコラウス(St. Nicholas)にあります。聖ニコラウスは貧しい人々を助ける優しい心を持った司祭で、特に子供や船乗りの守護聖人として崇められていました。彼の死後、その功績が称えられ、12月6日が彼を讃える日とされました。オランダではこの聖ニコラウスが「シンタクラース」として知られるようになり、現在のシンタクラース祭の原型が形成されていきました。

シンタクラースの到来

シンタクラースは通常、スペインから船でやってくるとされています。このストーリーには、中世のオランダがスペインと密接な関係を持っていた歴史が影響しています。11月の中旬(第二土曜日、今年は11月16日)に、シンタクラースは助手である「ズワルト・ピート」(Zwarte Piet)たちとともにオランダに到着します。アムステルダムでのパレードは例年次の日の日曜日。到着の様子はテレビでも生中継され、各地で盛大なパレードやイベントが開催されるため、街はシンタクラースを一目見ようとする家族連れで賑わいます。写真は去年のライデンのものです。生憎の雨でしたがたくさんの子ども連れで賑わっていいました。

アムステルダムのパーレードについては以下のリンクから。

ズワルト・ピートについて

シンタクラースの到来を手伝うのが、ズワルト・ピートというキャラクターたちです。ピートたちはシンタクラースの「お手伝い」としての役割を持ち、プレゼントを配ったり、子どもたちを楽しませたりする役目を担っています。しかし、このキャラクターは近年、ブラックフェイス(黒塗りメイク)やステレオタイプな衣装が問題視され、ピートの姿が変わりつつあります。近年では「ソーイ・ピート」(Soot Piet)と呼ばれる、顔に煤(すす)をつけたキャラクターが増え、シンタクラースのイベントも時代に合わせて変化を遂げています。

シンタクラースの伝統的な風習

シンタクラースがオランダに到着すると、子供たちは毎晩、家の暖炉やドアの前に靴を置きます。この靴にニンジンや砂糖を入れ、シンタクラースの愛馬であるアメリゴへのお礼の気持ちを表します。夜になるとシンタクラースやズワルト・ピートがこっそりやってきて、靴の中に小さなお菓子やプレゼントを置いていきます。この伝統は子どもたちにとって非常にワクワクするもので、12月5日までの毎晩続きます。

シンタクラースの夜(12月5日)

12月5日夜は「シンタクラース・アヴォンド」(Sinterklaasavond)または「パコエレンアヴォンド」(Pakjesavond)と呼ばれ、家族が集まってプレゼントを交換する大切な夜です。子供たちはワクワクしながらシンタクラースからの手紙やプレゼントを待ち、家族とともに笑顔で過ごします。また、大人同士でも詩を添えたユーモラスな贈り物を贈り合い、笑いが絶えない時間となります。

シンタクラースのお菓子

シンタクラースの時期には、特別なオランダ菓子が登場します。たとえば「スペキュラース」(Speculaas)というスパイス入りのクッキーや、シナモンとアニス風味の「クルイデノーテン」(Kruidnoten)などが代表的です。また、シンタクラースの形をしたチョコレートも人気で、子どもたちは特にこの時期のスイーツを楽しみにしています。

まとめ

オランダのシンタクラースは、家族や友人と笑顔で楽しむ心温まる伝統行事です。この行事は、ただのプレゼント交換の夜ではなく、長い歴史や文化の背景を持つ特別な季節のイベントです。オランダを訪れる機会があれば、ぜひシンタクラースの時期に合わせて、オランダの温かい冬の風物詩を体験してみてください。

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